賢威はSEO要素を考慮したテンプレートとして生まれすでに10年が経過しています。2万人を超える利用者から支持を得て、現在はバージョン8.0が開発されています。
HTML用テンプレートとWordPress用テンプレートが提供されていますが、実は単にテンプレートを導入するとそれでOKというわけではなく、SEO効果を最大に発揮するための使い方があります。
ここではWordPress用の賢威テンプレートのSEO効果を活用するために、しなければならない各種設定について解説します。
賢威のSEO効果を発揮するための鉄則
SEOに関しては最近の4年間でずいぶん考え方が変わりました。
かつては有効とされていた外部SEOの様々な手法やテクニックはほとんど通用しなくなり、現在はユーザー重視・コンテンツ重視のサイト構成が大切だと言われています。
つまりSEO対策という面では“内部SEO”が重要になっているわけです。
賢威は誕生以来、内部SEOの効果を発揮するよう工夫されてきました。
開発者の松尾茂起さん自らが、実践的なサイト運営をしながら、検索エンジンのアルゴリズム変化に対応する方法を試行錯誤し、現在の“コンテンツ重視”のサイト構成を可能にするバージョン賢威7に至っています。
考えこまれたCSSとテンプレートから作成されるHTMLは、ユーザーの役に立つコンテンツを素直に作っていくだけで、検索エンジンにも好まれるページソースを作ることができます。
賢威を導入する際には賢威SEOマニュアルと賢威コンテンツ制作マニュアルを充分に理解した上でサイト作成に臨んでほしいと思いますが、慣れてくるとサイトのデザイン要素にいろんなカスタマイズを加えたくなると思います。
賢威は文字のサイズや行間まで、考えつくしたデザインを行っています。
カスタマイズはほどほどに、最小限にするよう気をつけて下さい。
つづいて、賢威テンプレート独自の設定内容について説明していきます。
かなり長いページになっていますので、ブックマークして数日間でお読みになってください。
テンプレートによって異なる管理画面のメニュー
WordPressではテンプレートを「テーマ」と呼称しています。現在の最新の賢威のテーマバージョンは「賢威7.1」です。
インストールして有効化すると、WordPressの管理画面は賢威バージョンに変わります。
管理画面は有効化しているテーマによってバージョンが違いますが、ディフォルトでインストールされている「Twenty Seventeen」と比較しながらメニューの違いをみていきます。
下の画像が「Twenty Seventeen」のディフォルトの管理メニューです。
- 投稿
- メディア
- 固定ページ
- コメント
- 外観
- プラグイン
- ユーザー
- ツール
- 設定
こんな項目が並んでいます。各メニューの下層にはサブメニューが隠れています。
賢威の管理メニューが次の画像です。
ディフォルトのメニューに賢威独自のメニューが増えています。
- 賢威の設定
- 共通コンテンツ一覧
- ランディングページ一覧
- キャラ一覧
次の項目からは賢威独自のメニューの使い方について解説します。

賢威独自の管理メニュー
賢威テンプレートのSEO効果を最大に活用する為には、的確な設定を行っておきましょう。
後から変更することもできますが、サイトのスタート時点できちんと設定するようにしましょう。
賢威の設定(サイト内共通)
ここではサイト全体に共通する要素の設定を行います。
- サイトのタイトル
- サイトのタイトルを入力します。ここに入力したタイトルは後段で説明する「一般設定」に自動的に反映されます。
サイトのタイトルは二通りの考え方があります。
サイトタイトルのキーワードで検索ユーザーを呼び込む場合には、サイト全体の内容を表現しながら、さらに検索に使われるような言葉を組み込んだタイトルを考えます。
検索からアクセスは個別ページが主体になるようなサイトの場合は、シンボリックなサイトタイトルにして、あまりキーワードは意識しなくてもよいでしょう。
タイトルの考え方は賢威だけでは無く、どんなテーマの場合も同様です。 - サイトの簡単な説明
- サイト全体の概要を説明した文章を入力します。ここに入力した文章は「一般設定」にも反映しますが、賢威の場合はサイトのトップページにだけ、ここの文章が「メタディスクリプション」に表示され、個別のページの「メタディスクリプション」には、個別ページごとの内容が表示されます。
賢威を使わずに「Twenty Seventeen」など、ディフォルトのテーマの場合は、一般設定のキャッチフレーズに入力した文章が、個別ページの「メタディスクリプション」に共通して表示され、SEOとしてはあまり好ましくありません。 - ロゴ画像
- サイトタイトルをテキストではなく画像で表示させる場合にロゴ画像を設定します。
代替テキストにサイトタイトルを入力し、トップページへのリンクを貼ります。 - レスポンシブWebデザイン
- PC用に作ったサイトをスマホなどモバイルでも、画面サイズを調整してWeb閲覧できるようにする機能です。
ここをチェックすると「レスポンシブが無効」になるので、絶対にチェックしないで下さい。
すでに始まっているGoogleのモバイルファーストインデックス(MFI)は、レスポンシブサイトの場合は全く問題なくPCサイトの情報がモバイルサイトに反映されるので、MFIに移行しても影響は出ません。 - サイトの基本レイアウト
-
- 1カラム
- 2カラム(右サイドバー)
- 2カラムリバース(左サイドバー)
の3種類から選択しますが、賢威では個別ページごとにレイアウトを設定できます。後で出てくる「ランディングページ」は1カラムで作ることが多く、サイト全体を2カラムで作りランディングページを1カラムで作るといった使い方ができます。
- メタキーワードの表示
- メタキーワードは現在はSEO上なんの効果も無いと言われていますので、キーワードの設定はしないかもしれませんが、メタキーワードの表示をしないにする必要もないでしょうから、ここはチェックは外したままにしておきます。
- メタディスクリプションの表示
- メタディスクリプションは検索結果に表示されるスニペットになるので、必ず表示させなければなりません。
- サイト共通のメタキーワード
- トップページと個別ページに共通して表示されるメタキーワードです。メタキーワードそのものが今ではあまり意味のないものになっていますし、余程特殊なサイト以外、トップページと個別ページのキーワードが同じということはありませんので、ここは何も書かなくてよいでしょう。
- 下層ページのタイトルでのサイト名の表示
- 「サイトのタイトル」に書いたようにサイトタイトルには2種類あります。キーワードを意識したタイトルと、意識していないシンボリックなタイトルです。キーワードを意識したタイトルの場合、個別ページのタイトルに含まれるキーワードとサイトタイトルのキーワードとの複合キーワードで検索される可能性もあるので、この場合は下層ページタイトルにもサイトタイトルを表示させた方がよいと思います。
シンボリックなサイトタイトルはどちらでもよいでしょう。 - 投稿ごとのPV数(ページ閲覧数)の表示
- PV数が表示されているサイトでは、10万PVを超えている記事はつい読みたくなるものです。トータルPVが100万超えのサイトはPV数の表示は効果がありそうですが、まだ少ないサイトでは逆効果になるかもしれません。
- 賢威によるrel=”canonical”の設定
- URL正規化を行うcanonical(カノニル)属性の設定です。個別ページの作成画面では、canonical URLを設定できるようになっています。ここの設定を「無効」にするとURL正規化が出来なくなります。必ずチェックは外します。
- サブコンテンツ(サイドバー)エリアの表示
- 1カラムページの場合、本文の下に共通で表示されているサイドバーの内容をサブコンテンツとして表示するか、しないかを設定できます。
ランディングページでは、サブコンテンツが表示されると情報過多になってしまい、コンバージョンの低下につながる可能性もあり表示はさせない方がよいと思います。 - 投稿ごとの目次を自動で生成する
- 賢威には記事の目次を自動で生成する機能が初めからついています。WordPressのプラグインにも同様の機能のプラグインがありますが、コンテンツの分量が多くなっている今日です。目次の生成は必須です。
- ランディングページディレクトリ名
- ディフォルトでは「lp」が設定されています。投稿ページや固定ページに同名の記事が無ければ、ディフォルトのままでよいと思います。
- </head>直前に挿入するコード記入欄
- GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーのコードを記入します。管理画面にはSearchConsoleの確認タグもと記載されていますが、SearchConsoleの確認はhtmlファイルによる確認方法のほうが管理しやすいと思います。
- <body>直後に挿入するコード記入欄
- GoogleタグマネージャーのコードやFacebookのウィジェット関連タグを記入します。<body>内や<head>内のコードはindex.phpに直接書き込むことも出来ますが、テーマの更新をすることがあった時に、index.phpに再度書き込みが必要です。うっかり忘れてしまうこともあるので、ここの設定画面で記述しておいたほうがよいでしょう。
- </body>直前に挿入するコード記入欄
- JavaScriptのコードやGoogle以外のアクセス解析コードを記入します。
トップページ
トップページとして表示されるページのデザインを設定します。
通常は最新記事が表示される目次ページになりますが、後段の「設定」内の「表示設定」で、トップページに特定の固定ページを設定した場合は、ここで設定するトップページの内容は反映されません。
- トップページのレイアウト
- 賢威の設定と同じく
- 1カラム
- 2カラム(右サイドバー)
- 2カラムリバース(左サイドバー)
の3パターンから選択しますが「共通設定を適用」を選択すると、賢威の設定が反映されます。
- トップページのタイトル
- サイトタイトルの他にトップページのみのタイトルを設定できるのが賢威の特徴の一つです。
当サイトのタイトルは「ウェブサイトマスターの為の覚書き」ですが、このページのタイトルは「賢威テンプレートのSEO効果を最大限に上げるための使い方 │ ウェブサイトマスターの為の覚書き」となります。すこしタイトルとしては長い感じもします。
*ただしSEO上の話です、見た目のことではありません。見た目のタイトルは「賢威の設定」のサイトタイトルが表示されます。
そこで、サイトタイトルの一部だけを使って「賢威テンプレートのSEO効果を最大限に上げるための使い方 │ ウェブサイトマスター」にしたいとします。この場合は、「賢威の設定」のサイトタイトルを「ウェブサイトマスター」にして、ここで設定する「トップページのタイトル」に「ウェブサイトマスターの為の覚書き」とすると、個別ページのタイトルを短くすることができます。
*ただしここで言っているタイトルとは<head>内の<title>のことです。見た目のタイトルは「賢威の設定」のサイトタイトルが表示されます。 - メイン画像
- 賢威テンプレート6からメイン画像がトップページに表示できるようになっています。
必要なければ画像を削除するとメイン画像は表示されませんし、違う画像を設定しても構いません。 - メイン画像をウィンドウ(ブラウザ)幅で表示
-
メイン画像の表示幅をウィンドウ幅とするかコンテンツ幅とするかを選択します。
ここは好みですね、SEO上はあまり影響はありません。
- メイン画像の表示タイプ
-
メイン画像の表示タイプの選択です。
- タグとして表示する
- 背景画像として表示する
タグとして表示すると画像のみが表示され、背景画像として表示するとメイン画像の上に次に設定するキャッチコピーが表示されます。
上に掲載したのがタグ表示です。下が背景画像の場合です。 - メイン画像の代替テキスト
- メイン画像をタグとして使用する場合に alt=” ” に入るテキストです。背景画像として使う場合は必要ありません。
- メイン画像のキャッチコピー
- メイン画像を背景として使用する時に表示させるテキストです。
- メイン画像のサブキャッチコピー
- メイン画像を背景として使用する時に表示させるテキストです。
- メイン画像の自由記述欄
- キャッチコピーの下に自由にテキストやボタンなどを配置できます。賢威のマニュアルには問合せボタンを配置した例が紹介されています。
- メイン画像エリアの背景色
- メイン画像を背景とした場合、画像が無い時に背景色を設定すると、画像が配置される部分を1色でべた塗りできます。
- グローバルメニューの表示
-
グローバルメニューはサイトの構成によって表示させる場合やさせない場合があります。
通常は複数のカテゴリーをメニューに表示させることが多いと思います。 - サブコンテンツ(サイドバー)エリアの表示
- ディフォルトでは「賢威の設定に従う」になっています。ここもサイトの構成によって決めて下さい。
- 最新情報
- 通常はトップページに最新記事の投稿日の新しい順に掲載されます。掲載する記事数は後段の「設定」「表示設定」で決めますが、ここでは最新記事の概要をリスト上に表示させる設定を行います。
例えば、トップページに表示する記事数を1個だけにして、最新記事リストを5個表示するとか、表示する記事数は10個にしてそのうち最も新しい記事を3個だけリストにして表示するなどの使い方をします。
最新情報として表示する記事の中で表示しないカテゴリを指定することができます。カテゴリの指定は管理画面のカテゴリを表示して、該当するカテゴリにマウスポインタ-を乗せると、下のステイタスバーにID番号が表示されます。
- 2ページ以降のインデックス
- ここはチェックしないでスルーします。
一覧ページ
カテゴリーページ、タグページ、年月日ページ、投稿者ページ、検索結果ページといった一覧ページの設定を行います。
設定する項目は
- レイアウト
- インデックス
の二つですが、レイアウトは「共通設定を適用」のままでいいと思います。
インデックスについてはいろいろ考え方がありますが、私はディフォルトのままにしています。
ただ、最近はこのように考えています。
*ブロックしてもGooglebotがインデックスすることもあります。
SNSの設定
ソーシャルネットワークとの連携やソーシャルボタンの設定です。
- Google+
の設定をここでします。フォローやリツィートボタンの表示ができるようになります。
賢威のディフォルトのSNSボタンは小さいタイプなので、フラットデザインのボタンに変える方法を『賢威のSNSボタンをフラットデザイン+「flex-block」でカスタマイズ』にまとめてあります。参考にして下さい。

SNSへ更新記事を同時投稿する機能はありませんので、プラグイン「Jetpack」を使って設定してください。

フッター
[外観]→[メニュー]で作るフッターは横並びリストになりますが、ここの自由記述欄ではHTMLタグを使って縦並びリストや段組みなど、自由にフッターをデザインすることができます。
画像の掲載をしたり「賢威6」のHTML用テンプレートのようなフッターを作ることもできます。
ここまでが「賢威の設定」で行う各種設定の説明です。
以下からは「共通コンテンツ一覧」「ランディングページ一覧」「キャラ一覧」の賢威独自の設定についての解説です。
共通コンテンツ一覧
共通コンテンツは複数の投稿記事の中に繰り返し出てくるコンテンツを、ショートコードの設定とタグの挿入によって、コンテンツの変更などの管理をしやすくする方法です。
広告のコードをショートコードにするなどにも使われます。
ショートコードはプラグイン「Post Snippets」を使う方法もあります。
賢威の共通コンテンツは、挿入するタグに自動的に<p>タグが前後に入ります。そのため文節の中にショートコードを配置したい場合でも、ショートコード部分が改行されてしまいます。
ショートコードの使い方によっては「Post Snippets」との使い分けをした方がよいと思います。
『賢威の「共通コンテンツ」を使う時に注意したいポイント』も参考にして下さい。

ランディングページ一覧
ランディングページはPPC広告によって集客する際の着地ページや、商品購入申込ページや資料請求ページなど、サイトの最終着地ページは「フルスクリーン」にしたり1カラムにしたりして、通常のページとは違うデザインにすることがあります。
その理由は、通常ページにはヘッダーやサイドバーがあり、閲覧ユーザーがコンテンツに集中できないという面があります。
ランディングページは通常ページのヘッダー部やサイドバーを省き、サイトの目標である売上につながりやすいページ構成を作ることができます。
また複数のランディングページを作った場合、[sample.com/lp/]ディレクトリに格納されて、一括管理できます。
SEO効果のある賢威を導入して、さらにランディングページの作成によって“売れるサイト”を目差してください。
キャラ一覧
賢威7から追加されたもう一つの機能が「キャラ設定」です。
会話型のコンテンツが閲覧者にとってすごく読みやすいという評判もあり、賢威でも会話型のコンテンツが簡単に作れるようになりました。
登場人物の画像を設定して、セリフを入力する吹き出しはショートコードで呼び出します。
面倒なCSSの設定も必要なく、初心者でも簡単に会話型のコンテンツ作成ができます。
まとめ
賢威は利用者が多く、また10年間に及ぶ実績があります。
多くの利用者から寄せられた質問や回答が、フォーラムで読むことができるようになっており、テンプレートの使い方やカスタマイズについて、あるいはSEOに関する知見や実施事例など、様々なことを学ぶことができる枠組みがあります。
現在バージョン8が開発されていますが、ライセンスを取得すると以後はずっと無料でバージョンアップする権利を取得できます。
インターネットの世界はドッグイヤーと言われるほど、変化の激しい世界です。
その変化に追随する賢威テンプレートの魅力をぜひ体験してみて下さい。
》》 賢威公式サイト
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